城・日本の城・城郭用語辞典
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多聞
たもん多聞とは長屋状の櫓のこと。明治以前は多聞櫓という名称が一般的だった。城内に設置された多聞は、武器や食料を格納する倉庫、弓や鉄砲を放つための足場、城周辺を見張るための物見台として利用されていた。多聞という名称の由来は、戦国時代の武将・松永久秀の居城だった「多聞城」にあると言われている。長屋状の櫓を初めて取り入れたのが多聞城だったことから、こうした形の櫓を多聞と呼ぶようになったのである。また、鎌倉時代の武将・楠木正成が櫓に「多聞天(毘沙門天の別名)」を祀っていたことが、多聞の由来という説もある。現存する城のなかで多聞を備えているのは、石川県の金沢城、滋賀県の彦根城、香川県の高松城など。
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