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忍具

忍者とは、大名や領主に仕え、密偵術や剣術、呪術、薬学、天文学などの忍術を使う者のことです。諸説はありますが、概ね、鎌倉時代から江戸時代にかけて忍者は活躍したと言われています。
特殊技術である忍術を用い任務を遂行する忍者にとって、欠かせない物が「忍具」と呼ばれる様々な道具。「手裏剣」や「クナイ」、「撒菱」(まきびし)、「鎖鎌」(くさりがま)などの忍具が有名ですが、それぞれの忍具にも多くの種類があり、知られていない忍具も多数あります。また、「鉄砲」も忍具として使用されていました。諜報部隊として活動していた忍者の忍具には当時の最先端の技術が用いられていたのです。ここでは、そんな忍者に欠かせない代表的な忍具について紹介していきます。

手裏剣(しゅりけん)

手裏剣(しゅりけん)

忍具の中でも、もっとも代表的な忍具である手裏剣ですが、形状や打法によりその種類も様々です。マンガや映画では、手裏剣は相手を攻撃する際に用いられますが、実際は窮地から逃れるための防御の役割を担うものだと言われているのはご存知でしたか。手裏剣と言えば、風車のような形を一般的にイメージしますが、棒の形をした棒状手裏剣や、突起の数により名前の異なる四方手裏剣、六方手裏剣、八方手裏剣、十方手裏剣などが確認されています。また、忍具として手裏剣を持ち運ぶのには、少し重く、かさ張るため、持ち運ぶ際は数枚しか所持していなかったそうです。

クナイ

クナイ

手裏剣としても用いられることのあったクナイは、相手を苦しみのないうちに死に至らしめるという意味で、「苦無」や「苦内」などと表記されます。クナイは、攻撃に用いる以外に、建物内に侵入するときの施錠を壊すため、壁に突き立ててそこに足をかけて登るため、穴を掘るため、など様々な用途で使える忍具として用いられていました。

撒菱(まきびし)

撒菱(まきびし)

忍具としては有名な撒菱ですが、マンガなどで描かれているような鉄製ではなく、多くは乾かしたヒシの実や桑の実などを三角形にした物が用いられていました。これを撒くことで相手の追撃を防ぎ、また攻撃用にも使用することが可能です。ちなみに、撒菱を使うときは、どのように投げても、トゲがある面が上を向くようになっています。

鎖鎌(くさりがま)

鎖鎌(くさりがま)

鎌の頭端部や柄尻の部分に鎖を付け、その先端に分銅を結び付けた武器が鎖鎌です。分銅を投げつけることで相手の動きを封じ、そこに接近し鎌で仕留めるという使われ方をしていました。様々な形状が確認されていますが、どれも実践で用いるには相当の訓練を要する忍具です。室町時代末期頃から発達した鎖鎌ですが、「大草流」や「天道流」、「大岸流」など、様々な流派がありました。

鉄砲(てっぽう)

諜報部隊である忍者は、その情報網を生かし当時の最先端の技術を用いた忍具を使っていたのです。なかでも火器はその知識を生かした物ですが、忍者は忍び短筒と呼ばれる小型の短銃を携帯していました。また、百雷銃(ひゃくらいじゅう)は、火薬の入った筒を数個結び付け、それを連続して爆破させることで敵の目をくらましたり攻撃を加えたりしていたそうです。これを応用し、オオカミの糞と火薬を混ぜて火を起こし、そこから発する煙で意思の伝達を図る狼煙筒(のろしづつ)もありました。

鳥の子(とりのこ)

鳥の子紙(とりのこがみ)と言う和紙で火薬を包み、そこに火縄を取り付けた忍具です。火縄に火をつけ相手に投げつけることで、手りゅう弾のような役割を果たしました。忍具として以外では、短冊や屏風、襖(ふすま)に鳥の子紙が使われています。代表的な鳥の子紙の産地は、越前や攝津です。

鉤縄(かぎなわ)

鉤縄(かぎなわ)

鉤に長い縄を付け、縄の途中にいくつかの竹筒を通して作られた忍具です。普段は折りたたんで持ち運ぶことができますが、使用時には鉤を高所に引っ掛けることでそこを登るための道具となりました。似たような物で梯子状になっている物もあり、このような忍具を総称して登器(とうき)と呼びます。

忍刀(しのびがたな/にんとう)

忍具として、忍者が使用する刀剣「忍刀」も有名です。忍者が背中に背負っているイメージを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。忍者が使用する忍刀は、「刀の長さが少し短く、真っ直ぐで反りがない」ことが特徴です。また、忍具として使用するため、忍刀はもうひとつ変わった特徴があります。それは、一般的な刀剣と比べて、刀を持つ手を切らないためのストッパーとなる部分「鍔」(つば)が「大きな四角」であること。これは、忍刀を地面に突き刺し、塀などを乗り越えるための足がかりとして使われていたからだと言われています。

以上、ご紹介したのは忍者が使用していた代表的な忍具です。これらの忍具以外にも「地雷」や「吹き矢」、「水蜘蛛」といった忍具もあります。実際に忍具を使用してみたいという人は、忍者を体験できる三重県の「伊賀流忍者博物館」や滋賀県の「甲賀の里忍術村」を訪れてみて下さい。忍者がどのように忍具を使用していたのか、より詳しく学ぶことができます。